静岡で百年以上続く店の多くは、人の往来が盛んな宿場町や街道沿い、古くからの繁華街に残る。創業時の賑わいといったらどれほどだったろうか。
当時のものは空襲など時代の変遷でほとんど残っていないが、歴史を感じられるものは店舗や道具だけとは限らない。
料理や商品を作り出す伝統の技と、それを受け継ぐ人。そして店の味や店そのものを世代を超えて愛してくれる人々。その一つ一つに歴史を実感するばかりだ。そんな日々の積み重ねで老舗と呼ばれる店へと発展したことは間違いない。
ぜひ各名店へと足を運び、これからも続く歴史の一幕に触れてみよう。きっと店が醸す空気感に胸が高鳴ることだろう。
掲載内容は2018年12月取材時の情報に基づいています。最新の情報は各施設にお問い合わせください。 ※金額はすべて税込みです
時代を超えて受け継がれた伝統の技・味は、百年を経た今も人々に愛され続けている。
時代の転換期、江戸から静岡へ移住した人々の口に合わせ、いち早く江戸そばを習得し提供。都内の名店が集う「木鉢会」に県外で唯一名を連ねる名店だ。五代目が再現した創業当時の口伝のそばつゆも味わえる。
施設名 | 安田屋本店(やすだやほんてん) |
---|---|
創業 | 慶応2年(1866年) |
お問い合わせ | 054-245-0981 |
住所 | 静岡市葵区横内町53-1 |
営業時間 | 11:00~20:30(OS) |
定休日 | 木曜休 |
座席 | 42席 |
駐車場 | 2台 |
参勤交代など行き交う人々に笹の葉に挟んだ水飴を売ったのが前身。店名の由来でもある。四代目の長倉慶雄さんは、先代の厳しい修業で習得した握りの技術と一子相伝のたれで客を唸らせている。
施設名 | あめや鮨(あめやずし) |
---|---|
創業 | 明治元年(1868年) |
お問い合わせ | 055-975-1152 |
住所 | 三島市大宮1-1-21 |
営業時間 | 11:00~14:00、16:00〜21:00 |
定休日 | 水曜休 |
座席 | 60席 |
駐車場 | 15台 |
どじょうや鰻を扱う和食店として開業。昭和に入り桜エビなどの天ぷらを主に提供し始めるように。絶妙な衣の薄さ、代々変わらない油の配合や揚げ方で引き出される桜エビの香ばしさや甘みを存分に味わって。
施設名 | 天文本店(てんぶんほんてん) |
---|---|
創業 | 明治12年(1879年) |
お問い合わせ | 054-252-0510 |
住所 | 静岡市葵区七間町14-1 ザ・エンブル七間町1F |
営業時間 | 11:00~14:30、17:00〜21:00(OS) |
定休日 | 不定休 |
座席 | 28席 |
駐車場 | 契約Pあり |
ペリー来航の頃、瓦煎餅のような甘い菓子を手焼きで販売したのが始まり。「元々あるお菓子を丁寧に作り続けたい」と語る六代目が、材料や配合を変えずに作り続けている「トリパン」は素朴な味わいが魅力だ。
施設名 | 南岳堂 (なんがくどう) |
---|---|
創業 | 嘉永年間(1848年頃) |
お問い合わせ | 0545-52-0068 |
住所 | 富士市吉原2-3-24 |
営業時間 | 9:30~18:00、日曜・祝日〜17:00 |
定休日 | 水曜休 |
座席 | 席なし |
駐車場 | 契約Pあり |