しずおか週末さんぽを楽しむ♪ケーブルテレビのトコチャンWEBから静岡のおでかけスポットをご紹介

vol.22 1月号

vol.221月号掲載

静岡の匠の技が光る一生モノの工芸品

徳川家康のもと、駿府城造営などで全国から優秀な技術を持つ職人が集結したというエピソードがある静岡県。それによりこの地では、繊細な匠の技によって生まれた工芸品が今日まで数多く残っている。歴史的背景が根付く伝統工芸品や地の利を活かした逸品など、その種類はさまざま。新年を迎えた今こそ、地元のルーツを感じられる日常使いの工芸品をお迎えして、ずっと大切に使っていきたい。

価格はすべて税込みです。掲載内容は2024年12月9日時点の情報に基づいています。最新の情報は各施設にお問い合わせください。

フリーペーパー「月刊トコチャン」の『しずおか週末さんぽ』に登場した場所をご紹介します。ケーブルテレビでも放送中!

徳川家康のもと、駿府城造営などで全国から優秀な技術を持つ職人が集結したというエピソードがある静岡県。それによりこの地では、繊細な匠の技によって生まれた工芸品が今日まで数多く残っている。歴史的背景が根付く伝統工芸品や地の利を活かした逸品など、その種類はさまざま。新年を迎えた今こそ、地元のルーツを感じられる日常使いの工芸品をお迎えして、ずっと大切に使っていきたい。

正藍染 小原屋

正藍染 小原屋

▲①型染め・筒描きと呼ばれる技法で作られた暖簾。麻や木綿によって風合いが変わり、職人が染める日本の伝統紋様の工芸品。併設のギャラリーで販売 ②日常使いもしやすいTシャツも人気。染め方や模様に四代目と五代目の個性が表れているそうなので、お気に入りの1点をじっくり選んでみては ③糸染めは20〜30回繰り返し行う。藍液の温度管理が重要なため、夏以外は藍液を加湿する ④糸は藍液に何回も浸して染めることで、美しく深みのある自然な藍色に仕上がる ⑤徳島県産の蓼藍(たであい)を原料に、天然素材のみを発酵して作った藍染の染料 ⑥染めた糸を手織り機で織り上げる作業も職人技。藍染の生地一反が完成するまでに約2カ月かかる ⑦四代目 小原博康さん(右) 五代目 小原康之介さん(左)「糸染めから機織りまで行っています。今は静岡県内でもうちだけの正藍長板中形染めを見てほしいです」

江戸の技法を現代に守り伝える「正藍(しょうあい)染め」

化学薬品を一切使わず、天然阿波藍を藍甕に仕込み醗酵させて藍液を建てる、江戸時代から続く伝統の「正藍染め」を継承している。天然素材で作る藍液はまさに生き物。職人が毎日温度管理して、8つの甕を順番に使うことで発酵菌が疲労しないようにしている。長い板と中形の型紙を使って染める「正藍長板中形染め」を行っているのも、県内では「小原屋」のみだそう。伝統的な正藍染めの美しさと、長年使用しても色あせない一生モノを手にしてみて。

正藍染 小原屋
▲正藍長板中形染めの浴衣生地。7mの板両面に生地を貼り、型紙を置いて糊を引く染色技法は希少
正藍染 小原屋
▲初代から受け継ぐ浴衣の模様の型紙は1,000枚以上
店名 正藍染 小原屋(しょうあいぞめ こはらや)
お問い合わせ 0550-82-0511
住所 御殿場市萩原676
営業時間 8:00~17:00
定休日 不定休
駐車場 10台
備考 工房で購入可

賤機焼窯元 秋果陶房

賤機焼窯元 秋果陶房

▲①徳川家や神社などの御用窯として発展した「賤機焼」は、徳川家康よりその名を拝領して以来、ここ静岡で息づいてきた。静岡県郷土工芸品の「鬼福」は、江戸時代から続く縁起物で、鬼の顔は魔除け、反対側の福の顔は祝福の意味を持っている。サイズは小から特大まであり、料理や用途に合わせて選べる ②素焼きをした器にひとつずつ魂を込めて絵つけをする ③五代目 春秋果さん「毎日土に触れていないと呼ばれている気がするんです」

徳川家も愛した静岡の駿河古窯「賤機焼(しずはたやき)」

江戸時代初期から静岡市で作られていた陶器「賤機焼」は、安倍川の大氾濫で一度途絶えたものの明治時代後期に復興。現在、五代目の春秋果さんが後を継ぎ、手びねりで製作している。手に馴染みやすく、温かな風合いの賤機焼。特に、徳川家に献上された「鬼福」は一家にひとつは置きたい縁起物。鬼の意匠の反対面に描かれたおたふく顔にほっこりする。

賤機焼窯元 秋果陶房
▲工房にあるギャラリー。鬼福のほかに伝統紋様を絵つけした賤機焼の食器なども揃う
賤機焼窯元 秋果陶房
▲箸置きに使える鬼福ミニ(1,001円)
店名 賤機焼窯元 秋果陶房(しずはたやきかまもと しゅうかとうぼう)
お問い合わせ 054-271-2480
住所 静岡市葵区柳町95
営業時間 10:00~17:00
定休日 不定休
駐車場 4台
備考 ネットショップ、駿府楽市、駿府の工房 匠宿でも購入可
来店時は要事前連絡

岸本挽物

岸本挽物

▲①挽物産業全盛期である1970年代の刃物を用いてリデザインされた「core flower vase」。当時作られていた家具の脚を彷彿とさせるレトロな魅力がある。「tane mini」は種から芽が生えてきた様子をイメージした作品。その丸みや木の温かみは、まるで生きているようで愛着を感じる。2色揃えてもかわいい ②木材を丸く削るのが挽物の特徴。多様な道具を使い分け、絶妙なニュアンスを表現する ③三代目 岸本真紀さん「手触りや木目の表情も楽しんでくださいね」

ぬくもり感じる、ころんっと愛らしい挽物(ひきもの)

1864年頃に始まった静岡挽物を継承する工房。これまで雛人形の道具作りから建物の装飾、家具の一部などを手がけてきた。その確かな技術力は全国的にも認められており、名だたる有名施設から注文が入るほど。三代目·岸本真紀さんは現在、挽物を身近に感じられる作品を製作。なかでもシンプルな花器は、暮らしに彩りと癒やしを与えてくれる。

岸本挽物
▲岸本挽物併設の直営店「kisshi&bu.」
岸本挽物
▲ディフューザーやミラーも置くだけでオブジェに
店名 岸本挽物(きしもとひきもの)
お問い合わせ 054-366-2791
住所 静岡市清水区入江1-16-12
営業時間 9:00~17:00
定休日 土曜・日曜・祝日(併設ショップは不定休)
駐車場 2台
備考 ネットショップでも購入可

しずおか鋳物 重太郎

しずおか鋳物 重太郎

▲①縁起がよいとされる、珍しい六角形のぐい呑み。職人が一つひとつ丁寧に磨き上げることで、まるで万華鏡のような水面のきらめきを楽しめる。純度100%の錫製品は味がまろやかになると言われており、日本酒などアルコール特有のツンとした感じや雑味を抑え料理と合わせやすくなる。ほか、馴染みある丸型のぐい呑みも ②溶かした錫を型に流し込む「注湯」。注ぐ勢いが仕上がりの美しさを決める ③職人 松本圭司さん「熱伝導がいい錫器は冷酒・冷茶にぴったりです」

日々の暮らしに寄り添い続ける錫製ぐい呑み

1890年創業の老舗鋳物メーカー「栗田産業」が手がける、日常使いの鋳物ブランド。静岡は江戸時代より鋳物作りが盛んだった地。その歴史を紡ぐべく、現代のライフスタイルにマッチするような日用品を作り続けている。錫製ぐい呑みは、見た目の美しさや実用性から愛用するファンが多い逸品。少しずつ色が深くなる経年変化も楽しんで。

しずおか鋳物 重太郎
▲築80年の趣を活かしリノベーションした店内
しずおか鋳物 重太郎
▲錫製タンブラーはビールの泡がクリーミーに
店名 しずおか鋳物 重太郎(しずおかいもの じゅうたろう)
お問い合わせ 054-282-0644
住所 静岡市駿河区豊原町3-6
営業時間 11:00~17:00
定休日 土曜・日曜・祝日(イベント時などは営業、詳細は要問合せ)
駐車場 3台
備考 ネットショップでも購入可

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