大正12(1923)年7月1日、駿東郡沼津町が楊原村と対等合併し、沼津市となった。そこで今回は沼津市 市制100周年を記念して、沼津エリアを特集。沼津の歴史とともに歩んできた老舗店の、市民に長く愛されてきた名品を紹介する。
明治元年創業の「古安」は、150年以上もの歴史を持つ肉の名店だ。氷問屋から肉を扱うようになり、文明開化の頃にはカフェなども営業していたそう。現在は1階が精肉部門、2階はステーキ・洋食レストラン、3階は全室個室ですき焼き・しゃぶしゃぶを楽しめる。
来年で100周年を迎える「川う」は、創業大正13年と謳うものの、古い資料によるとさらに以前からの営業になるという。店の地下には防空壕があるそうだ。こちらは、宴会料理や洋食など形を変えながらも、天ぷらなど常に地元の素材を活かしたスタイルを継承し、去年のリニューアルによって天丼専門店となった。
昭和3年に誕生し、沼津銘菓として名高い「ほさか」の栗せんべいは、2019年、機械の老朽化により製造中止に。約2年の休業の間、さらなるおいしさを求めて開発を続け、2021年に新たな味わいの〝栗せん〟として生まれ変わった。
老舗にしか出せない味を今に伝え、地元に息づく数々の名店。伝統を守りながらも時代とともに進化し続ける姿は、これからも人々の記憶に残り続けるだろう。
価格はすべて税込みです。掲載内容は2023年6月時点の情報に基づいています。最新の情報は各施設にお問い合わせください。
古くから沼津の地に店を構え今もなお市民に愛され続けている、沼津の食文化を彩る名店の逸品をご紹介
1928年の創業当時は、金型を用いて1枚1枚手作業で焼いていた栗せんべい。その愛らしい栗の形はそのままに、2021年には味や包装を一新。北海道産最高級の白インゲン豆や富士山の伏流水など素材にこだわり、甘さを抑え、食感を調整するなど一層おいしく生まれ変わった。長く愛される沼津銘菓にほっこり。
店名 | ほさか |
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お問い合わせ | 055-951-1515 |
住所 | 沼津市大手町5-2-9 |
営業時間 | 11:00~15:00 |
定休日 | 水曜休 |
駐車場 | 1台 |
1924年に「川宇食堂」として創業。天ぷらから宴会料理まで多彩なメニューを展開し、長年に渡って地域の人々に愛されてきた。2022年4月、天丼専門店としてリニューアル。一番人気はたまご入り天丼。天ぷらを揚げて40年、3代目主人の絶妙な職人技で天ぷらの風味と美味しさが最大限に引き出された逸品だ。伝統のレシピで丁寧に作る自慢の丼つゆで召し上がれ。
店名 | 川う(かわう) |
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お問い合わせ | 055-962-0276 |
住所 | 沼津市新町19 |
営業時間 | 11:00~14:00、17:00~19:00 |
定休日 | 月・火曜休 |
駐車場 | 3台 |
沼津大空襲を乗り越え、150年以上の伝統を誇る老舗の肉専門店。かつては牧場経営なども経て厳選肉の提供を続ける同店では、3Fのお座敷でA5ランクの霜降り和牛をすき焼きやしゃぶしゃぶを味わえる。口に含むと舌の上でとろけるような極上肉を、代々続く秘伝の割下でいただこう。
店名 | 古安(ふるやす) |
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お問い合わせ | 055-962-0698 |
住所 | 沼津市本町40 3F |
営業時間 | お座敷11:00~14:30(LO14:00)、17:00~21:00(LO20:30)※平日は夜営業のみ |
定休日 | 火・水曜休 |
駐車場 | 提携駐車場あり |
1978年に誕生。細長い形とキュートなキリンのイラスト、優しい味わいで人気を博し、市民にこよなく愛されるヒット商品となった。2007年、事業再編成により惜しまれながら製造終了。しかし市民の声により、2008年に復活を遂げる。現在も子供から大人まで愛されるご当地パンとして、揺るぎない地位を確立している。
店名 | 株式会社バンデロール |
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お問い合わせ | 055-934-2800 |
住所 | 本社工場:沼津市西島町20-2 |