||| 「てるてるぼうず」 |||
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“てるてるぼうず(坊主)”とは、日本に昔から伝わる風習で、
みんなもよく知っている通り、梅雨時などの雨が続く日に、
「雨よやんでおくれ!」と願いを込めて吊す人形。
ちなみに、逆さに吊したり、黒い坊主にすると、
雨乞いになるんだよ 。
元々は、「てりてり坊主」とか「てるてる法師」、
「てれてれ坊主」「てろてろ・・・」「日和坊主(ひよりぼうず)」などなど
地域によって様々な呼び方をされていたんだけど、
大正10年、ご存じ『てるてる坊主♪』の童謡が歌われるようになって、
いまの「てるてる坊主」という呼び名が定着みたい。
「てるてる坊主」
作詞/浅原鐘村 作曲/中山晋平
てるてる坊主 てる坊主♪
明日 天気にしておくれ
いつかの夢の 空の様に
晴れたら 金の鈴 あげよ
てるてる坊主 てる坊主♪
明日 天気にしておくれ
私の願いを 聞いたなら
甘いお酒も たんと飲ましょ
てるてる坊主 てる坊主♪
明日 天気にしておくれ
それでも曇って 泣いてたら
そなたの首を チョンと切るぞ
それにしても、昔の童謡の歌詞というのは
なかなかコワイものがあります。
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そんな「てるてる坊主」の起源は、
中国の伝説上の人物「晴娘(チンニャン)」と言われているよ。
この“晴娘”とは古代中国(北京)に伝わる美しい利口な娘で、
手先が器用なため、切り紙が得意。
そんなある6月、
西遊記にも登場する「東海龍王」が北京に現れ、大雨を降らせます。
雨は何日も続き、都は大惨事。
そこへ晴娘に「息子の妃にならなければ、北京を水没させるぞ!」というのです。
そこで、晴娘は屋根にのぼり、
みんなのためにと天へ昇り、東海龍王のもとへ・・・。
その後、大雨はやみ都を水害から救ったというお話 。
以来、人々は晴娘をしのび、6月の雨が降り続ける時期になると、
娘たちに命じ、切り紙をつくらせて軒下に吊り下げるようになったらしいよ。
それが「雲掃人形」とか「掃晴娘」と呼ばれ、日本に伝わってきたんだ。
ちなみに現在の中国には、この風習はもうほとんどないみたいだよ。
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ということで、最初は女の子だった「てるてる坊主」も、
日本では僧侶が日乞いすることから、
徐々に「女の子→坊主(男の子)」に変化していった
と言われているよ。
ちなみに本来、てるてる坊主は、
吊すときには顔を描かず、のっぺらぼうの状態で吊し、
見事、晴れれば、そのお礼にと
顔に目鼻口をいれてやり、お酒を頭からかけ、
お清めとして、川に流してあげるんだよ。
さらに、「軒下」に吊すのが主流だけど、
“難を転じる”という意味から、
ホントは「南天」の木に吊してあげるのがいいみたいだよ。
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