ドクター★星澤のセキュリティ基礎講座
バックナンバー:


登場人物
セキュリティ界のドクター★こと、「星澤裕二」
セキュリティ界の
ドクター★星澤こと、
「星澤裕二」
パソコンに興味しんしんの「S美ちゃん」
パソコンセキュリティが
ちょっと気になり始めた
「S美ちゃん」

ドクター、ウイルスには「よいウイルス」もあるって聞いたんだけど、「よいウイルス」って何ですか?

ああ、ウェルチアみたいなもののことを言うんだね。ウェルチアはブラスターが大流行した時に登場したウイルスで、感染したパソコンがブラスターにも感染していた場合、ブラスターを停止して削除するんだ。
へぇ〜、まるでウイルス対策ソフトみたい。

それから、Windows Updateサイトにアクセスして、ブラスターが悪用しているセキュリティホールを修正するプログラムをダウンロードして適用する。
そこまでやってくれるんだ。親切!
だから「よいウイルス」「善玉ウイルス」なんて呼ばれたんだね。
悪いウイルスは困るけど、ウェルチアなら感染してもいいんじゃないのかな。
こらこらS美ちゃん。そういうことを言っちゃダメ! ウイルスに「よい」「悪い」って言うのはないんだよ。ウイルスはみんな悪いんだ。
でも、他のウイルスを駆除してくれるし、セキュリティホールも修正してくれるんでしょ? いいと思うんだけど。
じゃあ、ちょっと考えてみて。もしS美ちゃんの家に泥棒が入ったとしよう。何も盗らずに、綺麗に部屋を掃除して出て行ったとしたら?
うわっ! 確かに被害はないけどイヤ! 絶対イヤ!
勝手にパソコンに入り込むんだから、「よいウイルス」もそれと同じことなんだよ。それに、パソコンに不具合が生じる可能性もある。
いいことばかりじゃないのね。
それから、「よい」ウイルスも他のウイルスと同じようにネットワークを使って他のパソコンに感染を広げるから、感染しっぱなしにするとウイルスがネットワークをずっとただよっていることになるんだ。ウイルスのぶんだけ、ネットワークの流れが悪くなって、ネットワークの機能が下がってしまうことになる。
ちょっと便利そうだから、なんて考えちゃいけないのね。
その通り。ついでに言うと、最近のウイルスはメールを大量に送信するだけで、データを破壊するなどの活動を行わないものが多いんだ。そう言うと、「メールを送るだけなら別にいいんじゃない?」と思う人がいる。
私もちょっとそう思ったりして(モゴモゴ)
でも、ウイルスを添付したメールを大量に送信することで、メールをやりとりするネットワークのシステムがパンクしちゃう危険性があるんだ。そうなると、ウイルスメールではない、大切なメールもきちんと処理できなくなってしまう。そこまでいかなくても、やっぱりウイルスメールのぶんだけネットワークの機能が下がってしまうことになるんだ。
そうか、どんな症状でも、やっぱりウイルスは悪いってことなのね。気を付けまーす。
よしよし

そんなわけで、今回の格言。

「ウイルスはみんな悪い!
直接被害がなくてもきちんと対策をとるべし」


次回の基礎講座

【第18回 トロイの木馬に気を付けよう】
の予定です。ではまた、次回をお楽しみに〜。


セキュリティ対策ソフトの詳細につきましては
ノートン・インターネットセキュリティ2004
http://www.symantec.com/region/jp/products/nis/
など各製品情報ページを併せてご参照ください。