ドクター★星澤のセキュリティ基礎講座
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登場人物
セキュリティ界のドクター★こと、「星澤裕二」
セキュリティ界の
ドクター★星澤こと、
「星澤裕二」
パソコンに興味しんしんの「S美ちゃん」
パソコンに
興味しんしんの
「S美ちゃん」
S美ちゃんのちょっとハズし気味な「先輩」
S美ちゃんのちょっと
ハズし気味な
「先輩」
ドクター! 今度私、ADSLサービスに加入しようと思うんですけど、先輩がまた変なこと言うんですよ。常時接続なんて下手に始めたら誰かにパソコン覗かれるぞって。

それは物騒だねえ。そんなに戦々恐々とする必要はないけど、パーソナル・ファイアウォールみたいなセキュリティ対策ソフトを使っておいた方が無難だね
ドクターのひとこと解説
→ノートン・パーソナルファイアウォール2003
えっ。ということは、覗かれる可能性ってあるの?

そうだね。常時接続と言えば、家の住所が明確にわかっているようなもの。かけるべきところに鍵をかけておかないと、勝手に入って来られたり何か持ち出されたりする“不正アクセス”の危険性は、ダイヤルアップ接続に比べて大きいね
もう先輩もドクターも、脅かしっこなしですよぉ〜。ウイルスならともかく、パソコン覗かれたなんて話、聞いたことないし。
それはね、たぶん被害を受けてることに気が付いていないケースが多いと思うんだ。
ウイルスだと大抵、データを消されたり、誰かにメールを送ったら“付いてたよ”って返事が来たりして、つまり発病して気が付くよね。でもハッカーの不正アクセスっていうのは、さっき言ったようなセキュリティ対策ソフトがなかったら、なんの情報も得られないわけ。
もちろんデータが壊されればわかるけど、データを盗まれたと言っても、要はコピーされてるだけ。自分のところのようすは一切変わらないから、本人はまずまったく気が付かない。
実際、パーソナル・ファイアウォールをインストールして、プロバイダに接続して、しばらくしてセキュリティログ(記録)を開いてみると、いろいろなところからアクセスが来てるよ。
しかも、例えばプログラムを埋め込もうとしたアクセス、なんてものが残っていたりする。
そのログってブロックされた記録だから、パーソナル・ファイアウォールを入れていなかったら、全部入り込まれてる、ってことだよね
ええええー! じゃ、私のお小遣い帳とか先輩の悪口書いた日記とかユウキくんの上半身ヌードとかも。。
そんなもの持ってるの。。(笑) まあ、そういうものを覗き見したり、例えばクレジットカードの番号など犯罪につながるものが盗まれることは、もしかしたら少ないのかも知れないけどね。
個人を攻撃するためじゃなくて、ただセキュリティの甘いマシンを探して、見つけた、侵入できた、で満足して帰って行くことも多いみたいだし。
ただ、インターネットを見てるだけの普通のパソコンはともかく、個人でWebサーバを立ち上げている人となると、これはたぶんほとんどの人が侵入を試みられているんじゃないかな。
Webサーバなんて、いったん立ち上げたら普通の人は日々のケアなんてしないでしょ。結構セキュリティに気をつけている人でも、例えば“今日、セキュリティ・ホールが見つかりました!”って言われても、パッチを当てるタイミングが遅れたら侵入されてしまうわけだ。
企業でさえ、セキュリティの甘いところはホームページを改ざんされるんだから、まして個人なら、もし侵入者がその気になったらやりたい放題だろうなあ
ドクターのひとこと解説
→セキュリティ・ホール
ドクター、じゃ、私、ADSLやめる。。なんか先輩に負けた気分。。
いやいや、そんな弱気になることないよ。個人だとなかなか完璧な対策は難しいと思うけど、取りあえずパーソナル・ファイアウォールをインストールすることだね。
もちろん“敵”の技術が高かったら、ファイアウォールもかいくぐって来る可能性がないとは言えないけど、侵入が難しくなるのは事実。“ファイアウォール入れてるぞ”ってアピールすることにもなるよね。
すると、難しい相手であるS美ちゃんのパソコンにわざわざ入り込んで悪さをするかっていうとそうじゃなくて、他の甘いところを探した方が早いや、ってことになるよ。
犯罪を防ぐには、その犯罪が見合わないようにすればいいのさ
はーい、なんとなくわかりました! それを聞いて安心したわ! じゃさっそくADSLにして、先輩のパソコンに入り込んでやる〜♪
それは違うって。。

そんなわけで、今回の格言。

「無理してまで覗く気にさせない“壁”を立てましょう!」

次回の基礎講座

【第4回 ウイルス、気をつけるべきポイントは?】
の予定です。ではまた、次回をお楽しみに〜。