ドクター★星澤のセキュリティ基礎講座
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第1回 ねえドクター、どうしてセキュリティは必要なの?

登場人物
セキュリティ界のドクター★こと、「星澤裕二」
セキュリティ界の
ドクター★星澤こと、
「星澤裕二」
パソコンに興味しんしんの「S美ちゃん」
パソコンに
興味しんしんの
「S美ちゃん」
S美ちゃんのちょっとハズし気味な「先輩」
S美ちゃんのちょっと
ハズし気味な
「先輩」
ねえドクター、近頃セキュリティって言葉をよく聞きますよね。気をつけろって先輩も言うんだけど、どうしてなの? 今イチよくわからなくって…。

うん、セキュリティの必要性って、なかなか難しいよね。だいたい、ウイルスとかコンピュータっていう話になるとわかりにくくなっちゃうと思うんだけど、自分のまわりの生活に置き換えてみるといいんだ。例えばクレジットカードの番号を安易に人に教えたり、誰もが目に付く場所に自分の電話番号を書いておいたりはしないでしょ。でもネットワークとなると、なぜかみんなガードが甘くなってしまって、大事なパスワードを紙に書いてパソコンに貼っておく、メールアドレスをどこのBBSにでも書く、なんて人がけっこういる。それが、パソコンからデータを盗まれたりSPAMメールのような嫌がらせを受けたりする下地になってしまうんだな
【SPAMメール】
広告メールや嫌がらせメールなどを無差別的に大量配信すること。iモードの迷惑メールもSPAMの一種。

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ふーん。でも、私のデータを盗んでもしょうがないと思うけどな。

盗まれて困るデータなんてウチにはない、って企業の人なんかもよく言うね。だけど例えば、社員がお互いに、住んでるところも電話番号もみんな知ってる小規模な会社があったとする。そういう会社では“うちの住所録ファイルなんて盗んでも…”って軽く考えがちだけど、外の人間、特に悪意のハッカーから見れば、ひょっとしたらとてもおいしい個人情報かも知れないじゃない。情報は人によって重要度が違う、ってことに気が付いていない人が意外に多いんだよ
【ハッカー】
もともとは天才的なソフトウェア・エンジニアを呼ぶ尊称だが、最近はネットやコンピュータに不正アクセスしたり、データの盗難や破壊を働く、いわゆる「クラッカー」と混同されることが多い。

そうか。先輩に私の電話番号を知られたらちょっとコワいものがあるかも。でもドクター、そういうのって会社のことじゃないの? ハッカーが攻めてくるなんて、ねえ。

例えば5年〜10年くらい前だったら、個人が悪意のハッカーに狙われる、なんてことはほとんどなかったと思うんだけどね。というのは、まずインターネットが個人まで普及していなかったので、悪意のハッカーに狙われる可能性があるコンピュータはほとんどなかった。でも5年くらい前からインターネットが普及してきて、しかも最近ではブロードバンドって、常時接続でみんなが常にネットワークに接続されているようになってきている。つまり、個人のコンピュータも企業のコンピュータも、同じインターネットに接続されていて、しかも環境はほとんど変わらないでしょ。そうなって来ると、当然個人も十分に狙われる可能性が出てきているわけ。だから、個人もしっかりガード意識を持つことが重要なんだ

自分をもっと大切に、ね。確かに重要だわ。

そう。クレジットカードの番号を入力する時は、そこが安全な場所かどうかきちんと確かめるとか。さっきも言ったけど、いろんなところによく確かめもせず自分のメールアドレスを登録したりしないとか。セキュリティというと特別で難しいことに感じるけど、実は技術的な問題っていう以前に、日頃の心構えの問題なんだよね。インターネットだからって油断しないこと、見知らぬ人がたくさんいる街の中と同じと考えること

はーい、なんとなくわかりました!


そんなわけで、今回の格言。

「実社会でやらないことは、インターネットでもやるな!」

次回の基礎講座

【第2回 ウイルス! 自分が加害者になる前に…】
の予定です。ではまた、次回をお楽しみに〜。