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「あれ? かわいー!」
ある月曜の朝。仕事で届いたあのファイル、どこだっけな…と会社のパソコンでメールの添付ファイルが入ったフォルダを探していたD子は声を上げた。
白クマが水晶玉のようなものを手に持っている絵がアイコンになったファイルだった。
「なんだろ? 占いかなんか?」
記憶にはなかったが、D子はついクリックしてみた。
パソコン上では何も起こらない。HDDのランプが、普通より長めに点滅したが、そんなことにD子が気づくはずもなかった。
「なーんだ。つまんないな」
D子はそのファイルのことはそれきり忘れて、次のフォルダを開いた。
昼近くなって、オフィスの中が騒がしくなった。向こうの島から、システム担当者が慌てた様子で何か説明をしながらこちらの席へ近づいて来る。聞いていると、こんな感じだった。
「社内で、ウイルス感染したパソコンが見つかった」「メールで届いたり、ネットワーク共有のパスワードが簡単なパソコンに感染するウイルスだ」「感染経路はまだわからないが、セキュリティの甘いパソコンを家から持ち込んだ人がいるか、休日出勤した人がどこかのWebサイトで拾って来たらしい」…。
D子のところへもやって来た。「ちょっとチェックさせてね…ああ、これもだ!」 担当者が声を上げた。さっきの、白クマのアイコンだった。「これ、クリックしなかったよね? え、したって? ダメだよ〜。これは“白クマ占い”って呼ばれてるんだけどね…」 担当者は技術的な説明を始めたが、D子にはよくわからなかった。ただ、メールに添付されて来たファイルを不用意に開かないこと、パスワードは「1234」とか「login」といった簡単なものにしておかないこと、といった注意を受けた。どこかで聞いたような注意だったが、正直言ってこれまで真面目に気にしたことはなかった。
それにしても、まさか私が最初…じゃないよね?
実はD子も昨日休日出勤していた。特に変なサイトを開いたわけではなかったが、思わず冷や汗が出るD子だった。
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この事例は、実際にあった“ウイルス感染”の事例を脚色、再構成したものです。 |
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シマンテックでは、ウイルスやワーム、スパイウェアなどの不正プログラムからパソコンを守る「Norton Internet Security」を用意しています。 |
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解説
ついクリックさせる巧妙さ…それもウイルスの「進化型」。
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先頃、久しぶりに危険度「3」のウイルス(トロイの木馬)が警告されました(Torojan.Peacomm)。「ヨーロッパを襲った暴風雨で死者230人」などのタイトルのメールに動画ファイルを装った添付ファイルがつけられ、急速に蔓延しました。このウイルスは感染力が高いとは言えないのですが、添付ファイルをついクリックしてしまう仕掛けが“巧妙”だったことが急拡散の一因だったと考えられます。今回の事件も、「ちょっとかわいい」絵がついたファイルをついクリックしてしまったところから感染が広がったケースです。
Webサイトを開いただけで感染、ということも無くはないのですが、まずは「添付ファイルを不用意にクリックしないこと」「話題に乗せられないこと」「OS、ウイルス対策ソフトを常に最新の状態で使うこと」などの基本をぜひ思い出してください。 |
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興味を惹くもの、面白いものにはトゲがある… いつも脅威を忘れないようにしましょう。

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