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「ええー? なにこれ」
R美は、自分のブログを開いて驚いた。“最近のコメント”欄が、見覚えのないアルファベットの名前で埋まっていたからである。ひとつを読んでみると、ポルノサイトへのリンクが張ってあった。
「またコメントスパムね…」
自分に関係のない、しかもあらぬサイトに誘うコメントスパムは、今までにもついたことがあった。ブログに「禁止IP」という設定があったので、その都度コメントスパムが発信されたIPアドレスを登録していた。これは、IPアドレス(192.168.0.2などのネット上の番地のこと)を登録しておけば、そのアドレスからはコメントを投稿できなくなる仕組みのことである。
R美は、少しウンザリしながらブログの管理画面を開いた。コメント管理のリストを見て、R美はまた息を呑んだ。これはひどい…それに今までのとちょっと違うかも? そのページで一覧できる50コメントが、すべて見知らぬ英語名だった。次のページ、さらに次のページを開いても、ようすは同じ。最終的には、なんと300を越えていた。しかもそれらは、連続して投稿されているにも関わらず、必ずしも同じIPアドレスから発せられたものではなかった…中にはまったく同じ名前、同じ文面のものがあるにも関わらず。
「ねぇちょっとちょっと、こんなことってある?」
R美は、居間のソファでくつろいでいた夫に声をかけた。
夫は、R美のパソコンを覗いて考え込んだ。
「ふーん。似たようなIPアドレスなら、同じサーバ使ってるやつが連続投稿してるとか思えるけど、これは全然違うIPだなぁ」
「ねぇ、ひょっとしたら詐称っていうこともあるのかな?」
「うん、適当なIPアドレスを振るような手口があるのかも。ああ、ゾンビパソコンっていう可能性もあるな」
「ゾンビパソコン?」
夫は説明を始めた。最近、ウイルスや不正侵入によって遠隔操作プログラム(バックドア)を仕掛けられたりしたまま、ユーザーが気付かずにいるパソコンが増えている。そうしたパソコンがネットワーク化されているケース(ボットネット)もある。“犯人”がそれらのパソコンに外部からちょぃと命令すれば、それらゾンビが、一斉にスパムメールを発信し始めたりするのだ。そのようなゾンビパソコンの存在は、世界中で何百万台とも何千万台とも言われている…。
「それじゃ、いちいちIPの禁止とかやってても埒があかないね!」
「あきませんな。どうしたらいいのかなー。取りあえず、ここにある“日本語を含まないコメントは受け付けない”の設定を選ぶくらいしかないんじゃないかな? これも日本人がやり始めたらアウトだけど…」
その“悪意の底知れない広がり”に、R美と夫は顔を見合わせて途方に暮れるしかなかった。
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この事例は、実際にあった“コメントスパム”の事例を脚色、再構成したものです。 |
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Internet Security」を用意しています。 |
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解説
なくならないスパム。対策は…?
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メールやブログによらず、「スパム」との戦いはインターネット社会の大きな課題のひとつになっています。「採算が取れるうちは根絶されない」とする識者もいるように、スパムを完全に無くすことは難しいようです。
当面は、ブログツールやプロバイダが用意するスパム遮断機能をうまく活用するしかなさそうですが、文中にも出てきた「ゾンビパソコン」には、警戒が必要です。自分ではまったく気づかないうちにウイルスなどに感染し、スパムメールの発信元になってしまっている…そんな可能性も、絶対にないとは言えないのです。ぜひセキュリティ対策ソフトを導入し、正しく使っていただきたいと思います。
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