インターネット24時
バックナンバー:

ちぇっ、また釣られちゃったよ…。Yはひとりごとを言った。
さっき届いたスパムメールに対してである。
ここ数カ月、目に見えて増え始めたスパムメールには、Yもうんざりしていた。
どうしてだろう? Yは考える。

怪しげなサイトに踏み入ったことがないとは言わないが、そういう所に実アドレスを登録したりはしない。いや、そういえば懸賞メールマガジンの登録をしたことはあったっけ…。その時も、メールがしつこいので「メール解除」手続きをしたのだが、解除どころか類似の別のメールまで届き始めたのだった。名のあるメールマガジン仲介サイトを経由しているはずなのに!とYは憤ったが、後の祭り、というところだった。
「スパムメールには返信してはいけない、それが“生きたアドレス”だと知らせることになるからだ」…そんな基本セオリーを知ったのは、後のことだった。

スパムメールの宛名をよく見ると、以前Yが個人的に作っていたWebサイト名宛になっていたこともある。当時スパムメールへの意識もなく、サイトにアドレスを載せる時には「namaeNO@SPAMdomain.co.jp("NO SPAM"は削除してください)」などと書いておく、といったスパムメール対策の手も知らず、実アドレスをそのまま掲示していたのだ。でも、それに気づいてアドレスを削除したのはずいぶん前のことなのに…ネット上のどこか検索サイトに、ページのキャッシュが残っていたりするのだろうか? メールアドレスは今や、重要な個人情報だ…誰にでも見えるところに貼っておいてはいけない。

こうしたメールは、今はアンチスパムでフィルタリングをかけているので、目にする必要はなくなった。英文だけのスパムメールや、薬品関係やアダルト系のメールも、その手のキーワードを登録しておけば自動的にスパムに分類して棄ててくれる。

やっかいなのは、ときどきフィルタをかいくぐってくる、いかにも普通のメールっぽいスパムメールなのだ。
「また釣られちゃったよ…」。
今朝届いたメールの中に、「なんだろ」というタイトルのメールがあった。スパムには気をつけているはずのYでさえ思わず開いてしまったのだ。添付ファイルなどは付いていなかったが、内容は明らかに援交系サイトへの誘いだった。

近ごろはこうしたメールの送り手も妙に考えているらしい。
「入金いたします」「俺に言わすなっ」「元気出してね」「お知らせ」…これらはすべてスパムメールのタイトルだが、開いてみれば宣伝文句が並んでいるばかり。差出人名も、普通の名前だったり、内容は英文なのに日本人のような名前が使われていたりする。

ますます気をつけなきゃな…Yは、苦々しい思いでそのメールを削除した。


この事例は、実際にあった“迷惑メール”の事例を脚色、再構成したものです。
シマンテックでは、メールソフトの設定と連携してスパムメールを受け取らないようにできるノートン・アンチスパムを用意しています。このソフトは、総合ウイルス対策ソフトウェア「Norton Internet Security 2006」に同梱されています。


解説
開かせるため、さまざまな手法を弄するスパムメール



まだ少ない方かも知れませんが、私のメールボックスにも日に30通はスパムメールが届いています。土日や年末年始などのホリデーシーズンになると、これが100通くらいに膨らむことも。スパムメールはそんなに「儲かる」んでしょうか。反応や“売上”があるから、スパムメールはなくならないのかも知れません。
ところでスパムメールも、読ませようとしてさまざまな手法を弄するようになっています。そして単なる宣伝ならまだしも、悪質なフィッシングサイトなどに誘導したり、添付されたウイルスファイルをダブルクリックさせようとするメールも少なくないようです。 ストレスを溜めないように、またこうした被害に遭わないように、アンチスパムなどのソフトはぜひ使っていただきたいものです。



事件の教訓

とにかく反応しないこと、
これがスパムメール撲滅の第一歩。



(C) 2008 Symantec Corporation. All rights reserved.