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「F子がGくんに宛てたメールが、うちのBBSに書き込まれてるよ! いいの?」
F子の携帯メールに、友達からその一報が入ったのは、ある日の朝のことだった。パソコンを立ち上げ、慌ててそのサイトにアクセスしてみると、むかし書いた覚えのある文面が掲載されていた。

「えっ?どうしてこんなものが?」
Gは、以前つきあっていた彼氏である。つきあいはF子の方から解消してしまったのだが、Gにはまだ未練があるらしく、今もメールをたびたび寄越していた。F子はその都度、黙殺していたのだった。
投稿者はF子の名前になっているが、“犯人”はGに違いない。
でもわからないのは、外に出した覚えのないメールがそこに暴露されていることだった。実はそのメールは、つきあい始めた頃に確かに自分が書いたものだが、ちょっと気恥ずかしいくらいのラブラブメールだったので、Gには送らなかったものなのだ。
そしてGと別れた後、メールも写真も、関係のあるものはすべて消去したはずだったのだ。

F子は、ハタと思い当たった。前のパソコン? そのメールを書いた当時に使っていたパソコンは、古くなったので買い替えたのだが、何か部品が使えるかも知れないからオレにくれよ、とその時Gが引き取って行ったのである。
――いや、でもそれにしても。パソコンを渡す前にデータはすべてゴミ箱に捨てたはずだし、そのゴミ箱もきちんと“空に”したのは間違いない。あのメールは残っていない。でも、そのメールがこうして他の人物によって書き込まれてしまった。一体なぜ・・・。

F子は、狐につままれたように自問を繰り返すしかなかった。
この事例は、実際にあった“データ流出”の事例を脚色、再構成したものです。
シマンテックでは、指定したフォルダやファイルのデータ抹消を始め、さまざまなトラブル解決機能を持った「Norton SystemWorks 2004」、ハードディスク単位のデータ抹消を始め、システムのバックアップやハードディスクの管理が行える「Norton Ghost 2003」などのツールを用意しています。


解説
「ゴミ箱に捨てた」だけではデータは消えない



不要なファイルを「ゴミ箱」に捨てても、クリックすればまだ内容を見たり復帰させることができます。そこでさらに「ゴミ箱を空にする」などの操作を行うと、それも見えなくなるため、普通に考えると「データは完全に消去された」と考えるのも無理からぬところです。
しかしこの消去は、実は見かけ上の状態に過ぎません。いわばインデックスを消しただけの状態であり、データそのものはハードディスクに残っていて、専用のツールを使うことでデータを復元したり内容を見たりできる可能性があります。
完全にデータを消したい時には、ハードディスク全面に無意味なデータを上書きするなどの処理が必要です。Norton SystemWorksやNorton Ghostに入っているツールを使って、パソコンの廃棄や譲渡の際にはデータを完全に再利用できないようにしておきましょう。
なお、廃棄時に工具などでハードディスクに大きな傷を入れるのも有効です。



事件の教訓

「電子の覗き」は、いたるところで目を光らせている。


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